Tree`s Garden -Riyoko Kisaki-

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Tripnote

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コラム フリーランス

『お金と仲良くなる』大切さ。

投稿日 2018-03-13 / 最終更新日 2021-01-03

広瀬さんのnoteが流れてきて、いい記事だなと思ったので私なりに感じたことをちょっと書いておくことにしました。

副業をやることが重要になる3つの理由

Twitterにいたり東京に住んでいると
クリエイター最高!
まだ会社員なんかやってるの
さっさと辞めてフリーになれば

的な意見が流れてきて、まるで世の中の主流はみんなそうだと言わんばかりな錯覚に陥ることがあります。

私自身は会社に「通勤したくない」「仕事終わったら帰って観劇とか旅行とかいきたい(けど残業多い)」「フリーでもやってけそうだぞ」ということでフリーランスを選択した人間なので、今やっているような大好きな仕事の方向をやれつつ、自由通勤できたり余暇がちゃんと確保できたり今より稼げるのなら形態はこだわらない、と考える人間です。

とはいえ今の形態のように「今日はもう働かない!」「次の仕事開始日まで3日間あるから休んで旅行行ってくる」みたいな状態を維持しつつ今と同じかそれ以上の金額を「お給料」として払ってもらえる会社はまず無さそうなこと。

休むときは休む、働くときはガッツリ働く。
通勤は(事務所を借りているので)満員電車を避けるのも行かないのも自由。
余暇を作る&使う。
会社員時代以上に稼げる(これは総労働時間に対しての意味でも、です)。

以上がストレスなく無理なくできるのが私にとってはフリーランスなので、今ここに至っています。
逆にいえば、通勤せず余暇を作りつつ、ある程度稼げる状態を維持するために日々鬼の形相でスケジュール管理をしています。

超就職氷河期ど真ん中世代の私は、いざ就職するぞ!という年齢の頃は新卒採用はなし、やっと入っても3か月後には会社が潰れたり、「すぐ使えない新人」はクビになるとかザラな時代でした。何年も新人を採用していないので育てられず、中途採用の即戦力レベルを求められるからです。
だから運良く会社に入れても「明日の保証」は一切ありません。

だったらフリーでも不安定さは一緒。

ならば就職できたとしても明日どうなるかわからない「会社」に依存するより個人でやってみよう、無理だったらもう一度就職活動してみるのもいいし、もう本当に無理ならバイトでも何でもやればいい、くらいの気持ちでフリーを選択しました。

話が少しそれてしまいましたが、世の中の職業を色々見ていればフリーランスとしてほぼ一人でできる仕事(職種)ってそんなに多くないと思うんですよね。
厳密にいえばフリーランスも一人完結ではないんですが、例えばロケットを作るとか、広告業界で大きなプロジェクトを成功させるとか、車を作るとか、テレビ番組を作るとか、スーパーマーケット経営とか、家を建てるとか。
やっぱり「チーム」や「大きな会社という組織だから」「大中小様々な企業が結集して」できることですよね。

だから、たまたま自分がフリーでできる仕事に「向いていた」だけで、フリーランスだから会社員だから「偉いorダメ」みたいな思考は「違うな」と思います。

とはいえ、ずっと会社員をしている友人知人に会うと「危ないな」と思うことは度々あります。何がというと「金銭感覚」が。

これは浪費家とかそういう意味で言っているのではなく、お給料や生活の話になると

皆給与の手取り欄しか見ていないんじゃないか

と感じることが多いのです。

私の場合家庭事情もあり18歳から公務員やりながら夜間大学の短期大学部へ行っていたのですが、当然学費や生活費、返済など自分で賄っていました。元々ゲームクリエイターになりたかったので、専門への学費を貯める意図もありそのような選択肢になりました。
専門卒業時は本当に就職難でゲーム会社に入ることはできず、契約社員だったりバイトを複数掛け持ちもあったり、公務員より後はずっと国保と国民年金を払い続けているので、確定申告自体は21歳から行っています。

そのため、どこでどういう風に税金が取られているか、国保、年金…などなど、いっつもお金とにらめっこしていました。引っ越しをすると「え、●●区住民税高いんだ!」「前年の収入がいいと翌年こんなにキツイのか!」とか。

年金も、最初は「貰えるかわからないのに払い続けるの本当にバカバカしい」と思っていたのですが、もし私が明日事故でずっと車いす生活になったら、過去きちんと払い続けていれば「障害年金」がおります。もし払っていなければ「障害年金」は受け取れません。これを知っているだけでも、年金はきちんと払っておいた方が安心なものだとわかるし、心構えも変わりますよね。

会社員をやっていると殆どの場合会社から「給与」が支払われ収入はそれのみになると思います。そして、給料と含まれている税金の計算は会社任せ・専門家任せです。
そういうシステムになっていて担当部署があって、お金の計算をしなくても毎月支払われるのは素晴らしいことでもありますが、いくら何に引かれて、前年から何がどれだけ変わって…というのを殆ど見ず、手取りだけで「なんかちょっと下がった」「ちょっとだけ上がった」とざっくりの印象で話をする人が多い気がするな、と…。
社会保障費が上がったのか、残業手当が減ったのか、特別手当の計算があるのか…そういう具体的な項目や数字での話が出てこないな、と感じます。

あんまり具体的な「お金」「数字」を意識していない。…気がする。

副業をやることが重要になる3つの理由

広瀬さんの記事を読んでいると、これからは政府に頼れない時代が来る、とあります。こういう感覚は、氷河期に感じた「会社に入ったからといって=安定ではない」と似ている気がします。会社がなくなったら、クビになったら、病気になったら…収入の柱が一本しかないと「会社=自分の生活のすべて」になってしまって危険だし、万が一の時にお金の計算ができずうまく生活を回せなくなってしまうのではないでしょうか。
だってね、払わなきゃいけないお金ってすっごいあるんですよ。勝手に引かれていた年金や保険、払ってもらってた交通費。「給与」じゃなく「報酬」になると勝手に引かれない。別途「支払う」のです。

私は個人事業主になってからずっと青色申告も毎年自分でやっているのですが、やっぱりお金の流れを全部把握し、新しいシステム(税率が変わったり医療保険の区分が変わったり)やその年初めて知ったこと(支払いが遅れてその年の未払い扱いになったりエージェントに支払う勘定科目は…など)ということに敏感でいたいので、(相変わらず年度末にため込んでしまいますが)全部自分でやることにしています。

だってお金の事、自分の今の経済状態、ちゃんと知っておきたいですから。

税理士さんに依頼してやってもらうと、多分まとまった青色申告書と確定申告書だけ見て、売掛金の帳簿とか細かく見ない気がします。私の性格上。
自分でやると、お付き合いのある取引先の今年の依頼状況とか、受けているジャンルの何が減って何が増えたかとか、そういうのを「流れ」で見ることができます。

未だ副業禁止の会社は多いでしょうし、投資は勉強もせずに始めるものではありませんし、何か始めよう!とすぐにできる状態でない人も多いと思います。

でもまず自分の給与明細を「手取り欄以外もちゃんと見てみる」ことや、国税庁の確定申告の書類に「給与」「生命保険」などの項目を入力してみるだけでも、ちょっと意識が変わるのではと思います。

「数字を数字として認識しよう」ということですね。

ちなみに私は「フリーになろう」と考え始めた時には「営業さんが自分に持ってくる案件は会社がいくらで受けてきたものか」を見るようにしていました。

それを見ながら
自分の給料(報酬)は何から払われているのか
個人で受ける場合いくらくらいなら妥当なのか
何時間で終わらせれば「儲け」になるのか

を考えて仕事をしていました。

なので個人事業主になった際に、少なくともそれまでやっていた仕事に関してはお金の意識、相場感、時間間隔をしっかり持って取引や交渉をすることができました。

残念ながらお金の事って学校では全くと言っていいほど教えてくれないし、今の日本のシステムは税金は地の果てまで追いかけてくるけれど還付金などの手元にくるお金は自分で迎えに行ってあげないと会えません。

お金と仲良くなることは、自分が損をしないこと、バカをみないことでもあります。

私自身まだ知らずに損をしていることもあるかもしれません。それでも「これはどういうことだろう?」と疑問を持って調べてみること、ちゃんと「数字」を意識することで、自分がお金に、お金が自分に近づいてきてくれると思います。

会社員でもフリーランスでも、将来的に別の道、副業、最終的には自分のライフスタイルを組み立てる時、何よりも「お金(数字)の意識を鍛える」ことが大切だと思います。

私自身別にむちゃくちゃ稼いでる!訳ではないですが、個人事業主になってからの方が収入は良く、おかげさまで丸10年やってこられています。
やっぱりそれは、日々仕事、税金などのお金をきちんと意識しているから、だと思っています。

すべての項目を1円単位までめちゃくちゃケチになれ!という意味ではありません。ただ、勉強したら損をしない、戻ってくるかもしれないお金がある!と思えばお金について知ろうとするのは楽しくなってきませんか?

日々の生活にも、いざという時にも頼りになる恋人、福沢諭吉氏。彼は何人いてもいいですよね(笑)。あ、もちろん樋口一葉さんや野口英世さんも大人数大歓迎です!