Tree`s Garden -Riyoko Kisaki-

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Tripnote

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コラム 宇宙兄弟

番外編『ふかぼり!宇宙兄弟~終わりが来ることが目標~』

投稿日 2018-12-30 / 最終更新日 2021-01-02

12月14日、第二回せりか基金授賞式にお伺いさせていただいた。
昨年に引き続きご招待いただき、今年もあの場に居られたことを大変光栄に思う。

フィクションの力は偉大だ、と常々思う。

宇宙兄弟を通してALSという病気を知った人がきっと大勢いる。
メインキャラクターの一人であるせりかが大好きだった父・伊藤凛平は、ALSを発症し若くして亡くなった。
作中で最初から登場しムッタやヒビトを見守ってきたもう一人の母・シャロンは、シャロン月面天文台建設計画を実現しようと奔走しているとき、ALSを発症する。

せりかの父である凛平や、子どもの頃からムッタやヒビトを見守ってきたシャロンは、読者にとっても“父や母のような”温かさを感じる、そんな存在だ。2人の温かい言葉に涙し、励まされた人は多いだろう。

2人を通じてALSという病気が描かれることによって、私たちはより病気を身近に感じ、知るようになる。

ALSは未だ原因がはっきりしていない難病だ。
しかも医師の方によると「(40代の)自分よりずっと若い患者が多い・若くして発症する人が多い」という。その言葉にとても重いものを感じた。

病気は、誰もがいつなるかわからないものである。
若いころは大して考えもしなかった「健康」だが、歳を取り周囲に突然亡くなったり大病にかかったりする人が増えてくると強く感じる。

健康に勝る財産はない。

でも、いくら気を付けようとも何が原因かもわからない病気は山ほどあり、それはつまり何の因果関係もわからないままに自分にもある日突然襲い掛かるかもしれないもの、ということである。

以前の記事にも書いたが、私がせりか基金を支援したい・応援したいと思うのは、そういう難病と闘う人たちが少しでも少なくなるよう、難病が難病でなくなる日がくるよう戦っている人を支援するための基金だからである。

自分には研究開発や医療支援はできない。できないけれど、お金はその研究や医療への助けになる。

それらの研究や活動は、その研究や活動の結果生まれるものは、巡り巡っていつか自分や自分の周囲にいる誰かを助けてくれるものになる――そう確信している。

自分で無理なく出せる範囲やできる活動をする人が、10人、100人、1000人、1万人…になったら、それは大きな力となる。

実際に、昨年から今年にかけ、ALSの認知度やALSに関わる研究はすごく進んでいる、と感じた。医療科学分野はただの素人なので業界から見るとどうなのかはわからないが、細胞研究とかISSでの実験成果とか、明るい気持ちになれるニュースをちょこちょこと耳にした。

研究や結果を出すのは一日や一週間の話ではない。長年コツコツと積み上げてきた方々の力、患者を、世界をより良くしようと日々を積み重ねてきた方々の先に私たちがそれを知ることができる。

世界中の医療者研究者科学者たちが途方もない時間「人が健康に、幸せに生きられる世界」を目指し、進歩し、もしかしたら私たちは知らぬ間にとっくにそれらを享受しているのかもしれない。

世界を変える力。

テクノロジーの面で「凄い」と感じたのは、出張中の台湾から式に参加した吉藤オリィさん――分身ロボットのOriHimeだ。
昨年お話をお聞きした時もその熱意に圧倒されたが、今年も熱かった。

オリィさんはこの冬、期間限定でOrihHimeカフェを運営されたが、そのカフェの店員はOriHimeを遠隔操作されている全国の方々だ。

株式会社オリィ研究所は「身体的問題や距離をコミュニケーションテクノロジーの研究開発により克服し、会いたい人に会えて、社会に参加できる未来」を実現する為、2012年9月に設立されました。
ユーザの生の声を積極的に反映し、人同士の繋がりを目指した製品の提供を行ってまいります。(http://orihime.orylab.com/より)

実際の映像を見た時、とても興奮した。
病気になっても働くことを諦めなくてよい未来。寝たきりであっても「人と会う」ことができる未来。距離に関係なくそれらの行動ができる未来。

“病人が病人らしく”している必要もないし、様々制約されていた・されるであろうことを“諦めなくても良い”未来がもう間もなくやってくる。

OriHimeは、私たちの未来に選択肢を増やす、「世界が変わる」「世界を変える」力だと感じた。

この授賞式が終わることが目標

「授賞式が終わることが目標」。
登壇された方々から出たこの言葉がとても印象的だった。

そう、せりか基金受賞式が終わるということは、ALSの原因究明や治療薬ができ難病ではなくなるということ。

昨年の授賞式から1年。ALSという病気の認知も、研究も、私にはすごく進んだように思えた。
それはALSと闘っている人たちが未来を信じ声を上げ続け、日々戦い続ける研究者や医療関係の人々の不断の努力があり、せりか基金と宇宙兄弟が多くの人が「知る」きっかけを生み出しているからだと思う。

もちろん、この活動はとても素晴らしいものだと思う。
だが、せりか基金が「終わる」ことこそが、一番喜ばしい未来だ。
その「終わり」を目指して、研究や技術開発は進んだり後退したりしながら、しかし確実に進んでいくのだ。

以前も書いているが、健康な状態にいる時に普段からずっと考えている必要はないと思う。
めいっぱい働いて、遊んで、楽しんで、その働いたお金で余裕ができたときに少しだけ寄付してみる。
ふと思いついた時に、少しだけALSのことを考えてみる。呟いてみる。現状を調べてみる。友人に教えてみる。
そういう小さなものを、時々、そして長ーく続けていけばよいのだと思う。

『宇宙兄弟』ファンならきっとこう願っていると思う。
シャロンが治る未来が見たい――と。

未来を想像し、信じること。
そして行動していくことが、現実を引き寄せていく。

さあ はじめよう
想像ではうまくいってる

今回はタオルを購入。とっても肌触りがよく、気持ち良かいです!

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