投稿日 2017-12-22 / 最終更新日 2021-01-03
こんにちは、樹咲です。
去る12月15日、宇宙兄弟から生まれたALS研究の支援をするためのせりか基金授賞式に出席せていただきました。
当日の様子は宇宙兄弟公式サイトや、双子のパパブログを運営されているYuichiさんがとても素晴らしい記事にしてくださっているのでぜひご覧くださいね。
1人でも多くの人に知って欲しい!双子パパがALSの #せりか基金 の授賞式に出席して感じた「自分にできないこと・できること」、そして一歩踏み出すこと。(僭越ながら当方のことも大変素敵に紹介していただきました。Yuichiさん、ありがとうございます!)
宇宙兄弟をきっかけにALSという病気が一体どのような病気であるのか強く関心を持つようになり、ALSを宣告された元アメリカン・フットボール選手のドキュメンタリー映画『ギフト』を鑑賞して生まれた想い、そして授賞式に出席し改めてハッキリと感じ思ったこと。
この気持ちや想いをどんな言葉で綴ればいいのだろう…と何度も書き直し、
ようやく書き終えることができました。
レポとは違いますが(そしてとても長いですが)どうか最後までご覧いただけたら嬉しく思います。
突然ですが、この記事を読んでくださっているあなたやあなたの大切な家族や友人が重い病気になってしまったら、どうしますか?
ALS=筋萎縮性側索硬化症。
ホーキング博士やFacebookのアイスバケツチャレンジ、そして宇宙兄弟でこの病名を知った人は多いのではないでしょうか。
漫画『宇宙兄弟』に登場するメインキャラクターの一人、伊東せりか。
ALSはまだ小学生だった彼女から父を奪った病気であり、主人公であるムッタとヒビトにとって母のような存在であるシャロンが闘病中の病気です。
ALSは脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロン(運動神経細胞)が侵される病気で、徐々に体が動かなくなっていき、最終的には呼吸障害を起こす難病です。
現在日本に約9200人超、世界では40万人の患者さんがいると考えられており、原因究明や治療法などの研究が多くの研究者によって進められています。
(参考:https://end-als.com/#mission / http://alschallenge.justgiving.jp/ )
日本だけで9200人超という数字、多いと思いますか、少ないと思いますか?
私は「とても多いな…」と感じました。
今闘っている方々が、こんなにもいるのか…と。
でも、これだけたくさんの人がいても、この病気は未だ“難病”であり有効な治療方法が確立していません。
伊東せりかは父の命を奪ったこの病気をこの世から失くすために医者となり、無重力下での研究ができるISSで実験をするため宇宙飛行士になるべく邁進してきました。
作中では2029年に彼女のミッションで実験が成功します。
作者の小山先生は、未だ有効な治療法の確立していないこの実験の成功を無責任に描いていいのだろうか、と随分悩まれたそうです。
漫画でも小説でも映像でもアニメでもゲームでも。
例えフィクションであっても、触れた私たちはそこからたくさんのものをもらいます。
作品に描かれたもの。そこから感じたもの。
自分の中に湧き上がる”勇気”や”希望”は、現実に生きる私たちにとって”本物の力”になります。
せりか基金は、ALS患者の希望を叶える支援をしたい。
ALS研究の原因究明及び治療法を研究している方々への支援のため設立されました。
寄付と聞くと、
——特別な人がすること。余裕のある人がやればいい。
——チャリティーとか、どこか構えてしまう。
そんな風に考える人も少なくないと思います。
でも、ちょっと考えてみてください。
難病や障害は「ある日突然自分に訪れるかもしれないこと」なのです。
何万人に一人、という病気を発症すること。
元気に出かけたその日に、事故等で後天的に障害を負ってしまうこと。
大きな病気やケガも含めて、自分や周りには絶対に起こらない、大丈夫!なんてことはないのです。
ほんの少し前なら治る見込みがなかった、生きていくことができなかった。
感染症を予防する術がなった…などなど。
私たちの生活は、過去の先人たちが気が遠くなるほどのトライ&エラーを積み重ねてきた研究や医療や技術が支えています。
誰でも一度はかかったことがある風邪だって、薬を飲めばすぐ治すことができる。ちょっとおかしいな?と思ったらメスを入れずに調べる方法がある。
ガンだって、昔に比べ随分と「治る病気」になりました。
日々の慌ただしさに追われたり健康な生活を送ることができていると、24時間365日ずーっと研究や病気のことを考えるのはなかなか難しいですよね。
でも、私たちの代わりに研究に、医療に、技術開発に人生をかけて向き合う方々がたくさんいます。
少しでも未来が良くなるために、病気や怪我に苦しむ人が減るように…。
もしも明日突然、自分が難病や障害と共に生きていくことになった時。
今日より明日がほんの少しでも研究が進んでいたらいいな。
薬が開発されて、治る可能性が広がっていたらいいな。
病気や障害と共に生きるその方法が、もっと負担の軽いものになっていたらいいな。
少しだけ、自分と、自分が見える範囲の人のことを想像してみてください。
「もしも自分が」「もしも家族が」「恋人が」「友人が」。
きっと、シャロンを抱きしめたムッタのように「生きてて欲しいんだよ」と願うのではないでしょうか。
研究や技術で関わることが難しい私たちは、せりか基金が立ち上がったことでお金という支援でALS研究の未来に少しでも関わっていく方法ができました。
未来の自分のため、周りのため。
生活の中でほんの少し、未来に貯金する感覚で寄付をしてみる。
チャリティーグッズを購入して、そのアイテムを身につけた時にふと考えてみる。
今お財布が苦しいな…と思ったら、せりか基金のことをシェアしてみる。
それぞれ、自分にできる範囲で。
そのアクションが何十人、何百人、何千人にも広がって…確かな、そして大きなアクションになっていくんじゃないかなと思うのです。
ほんの少しだけ先の未来を想像して、『じぶんごと』として捉えてみる。
そうしたら、明日は、今日よりちょっと過ごしやすいものになっていくんじゃないかな。
そんな風に思いました。
せりかさんのISSでのエピソードの中で、特に心に沁みた茄子田理事長の言葉があります。
実験成功が知れ渡った時——どれだけの人が喜ぶと思う?
どれだけの人が「明日も生きよう」と思うかを想像してごらんよ
宇宙兄弟ファンである私は、私たちは、シャロンの病気が治ることを願ってやみません。
シャロンが治ること——それは、現実の世界でALSという病気が”治る病気”となること。”難病でなくなること”です。
宇宙兄弟の中でせりかさんが成功させた景色が、現実でも見られるように。
研究が、少しでも前に進むように。
ALSが治る病気となり、難病ではなくなるように。
一人一人の明日が、今日よりも良くなるように。
—さあ始めよう。想像ではうまくいってる。
「せりか基金」公式サイト
https://landing-page.koyamachuya.com/serikafund/
チャリティーグッズ
https://serikafund.stores.jp/
私の名前は酒井ひとみですーALSと生きるー
https://koyamachuya.com/column_category/backstage/als/